慶應看護100年!日本、世界で活躍する方々が無報酬でも貢献したい理由⑤



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慶應看護100年!日本、世界で活躍する方々が無報酬でも貢献したい理由⑤】


おはようございます。


ナイチンゲールからはじまり、福沢諭吉の意志を継ぎ、慶應医学部を設立した北里柴三郎の人生を前回まで綴り、その続きです。



この北里柴三郎は、開国し、日本の学問の後れに対する痛烈な危機意識から、留学延長を懇願してまで、ドイツで細菌の研究を続けます。

そして、ノーベル賞受賞候補までになる偉大な発見をし、海外でも、引く手数多の北里でした。

しかし、そのような中、選んだのは、日本!

日本に貢献するべく、数多のオファーを断り帰国しました。


しかし、そこで、北里柴三郎を待っていたのは!


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完全なる無視の嵐でした。

愛の反対は、憎しみではなく、無視と言いますね。


何故でしょう?


理由は、ドイツ留学中に発表した脚気の研究結果でした。


当時の脚気は、原因が明らかではなく、死に至る事もあり、恐れられ、解明が求められいました。


歴史的には、平安時代以降、上層階級の人々を中心に、足のしびれ、むくみ、疲労感を起こし、死に至る奇病が発生し始めました。

精米された白米は、贅沢品であり、江戸時代に入ると、ステータスの象徴としても、白米を摂るようになり、武士にも広がり始めます。

地方では、雑穀しか口に出来なかった人も、江戸では、白米がブームであり、雑穀を食べなくなった事で、脚気にかかっていきました。

何故か、故郷に戻ると治るため、「江戸わずらい」と言われるほど。


現代医学では、常識となっていますが、脚気の原因は、ビタミンB1の欠乏です。

これにより抹消神経障害や心不全を起こします。


白米を主食とし、漬物だけの食事では、ビタミンB1は不足し、病気を悪化させていきました。


日清・日露戦争の際も、士気を上げるため、高価な白米ばかりを摂っていたため、脚気で死亡者を多く出しました。


全体を悟り知らないと、良かれと思って、決行した戦略が、大きな仇となり、取り返しのつかない結果を生みむす。

今の時代で言えば、お金・地位・権力の本当の仕組みを知らず、これらを得る事で、幸せになる、成功すると煽り、それをモチベーションに、世界を作った仇が、今のテロや貧富の格差、お金などを得ても、幸せになるない悲劇を生んでいます。


誰もが、幸せになりたい、幸せにしたい、愛したい、愛されたいと思い生きる中、条件状況で、不幸になるのは、全体を悟り知らないから。

その時代に、認識技術が、登場していたら、歴史も変わっていたでしょう。

これも、スティーブ・ジョブズが、情報革命を成し遂げたように、時代のタイミングで、全て限界と出会い、発見、発明を繰り返し、現代の発明に至るまでのプロセスでした。



北里柴三郎は、当時、最先端の技術を獲得した医師であり、研究者でした。


東大の教授に出世していた先輩が、脚気の原因は、細菌であるという発表をしていましたが、それは、おかしいと否定した北里柴三郎


東大の背後には、文部省との繋がりがあり、

上部構造である政府を敵に回していたのです。


天動説から地動説に、大転換をとげたように、非常識が、常識となり、時代は、いつも大転換していきますが、常識が絶対で、非常識は、どんなに正しくても否定され、消されていきます。

それは、見えない大きな権力が隠されているから。


地動説を受け入れたら困る教会という圧力と絶対権力があったから。

北里柴三郎で言えば、日本の最高峰である東大の否定は、政府に対する否定でもあり、上部構造の大否定でした。


だから、帰国後、感染症の研究機関設立に向けて、どれだけ北里柴三郎が訴えても、政府は、聞く耳をもってくれません。


人間の機能を悟り知らない限り、これの繰り返し。

動物にしかない知性で、自身を統制しようとしてきましたが、結局は、好き、嫌いの感情にコントロールされている事が、ほとんどです。

また、人は、権力や利権と結びつくと、特に、固定された考えが絶対となり、正しい事を正しく聞けない人間となります。


誰かのせいでもありません。

それぞれが、各々の正義で、生きてきた歴史があります。

構造を悟り知らないから、その技術が完成されていなかったから、争い、多くの血も流し、命をも失いながら、今の時代があります。


北里柴三郎は、どんなに悔しかったでしょうね。

最先端の知識と技術を手にしながら、それを活用できる場所もなく、受け入れてもくれない。

誰よりも、日本の未来を思っているのに、届かない想い。


それだけ、日本が無意識につくってきた文化や文明が硬かったのです。


今、日大のアメフトの監督と選手の意見の食い違いが問題となっていますが、事象を変えて、いつも、上部構造に、無意識に操られてしまう人間の構造なのです。


日本から、外へ出て、日本の現在地をみた北里柴三郎だけは、気づけましたが、巨大な権力が立ち塞がったのでした。


そこに、一雫の出会いから、また、大きく動いていくのですが、続きは、次回へ



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