西洋医学と東洋医学から、次の時代の医療へ③

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【西洋医学東洋医学から、次の時代の医療へ③】


こんにちは


東洋の叡智からみて、天地自然のメカニズムに重要な土用も今日で終わります。


土用の氣で、人間関係や身体面、経済面でも、何かが噴出した方がいらっしゃるかもしれませんね。


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土用期間中に、出現した発熱や蕁麻疹などは、症状が辛いからと、西洋医学の薬だけで抑えてはならないと、東洋の叡智は語るという事で、シリーズで西洋医学東洋医学の強みと弱点を綴ってきました。


そして、西洋医学東洋医学も道具であり、治りたくても、治らない原因、また、人生をより豊かに、幸せにしようと頑張っても、幸せになれない一番の問題は、人間の在り方、考え方である事も、綴ってきました。


今日は、何故、現代の日本人が、このような在り方や考え方になったのかのお話です。



まずは、医療の世界。


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日本の医療は、西洋医療から出発した訳でなく、仏教の伝来が大きく、奈良時代では、宗教を扱う僧侶が、主体とり、医療を施していました。

奈良時代以前は、医療というよりは、呪術的であったそうです。


様々な歴史の変遷はありますが、次の転換期は、戦国時代。

刀や槍で負傷し、地獄絵図と化した戦乱で、次々と倒れていく人々に、漢方では間に合わず、僧侶は、慰安として、訪れる事しか出来ない限界が生じました。



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日本では、室町時代に、「蘭学」が入ってきていましたが、新しい物は、怪しい物と受け入れられず、普及までは至っていませんでした。

ここに、東洋医学の限界が生まれ事と天下泰平をもたらした徳川幕府の時代「蘭学」を限定的に施す場所が設置された事、そして、杉田玄白の「解体新書」の翻訳を機に、関心が高まり、広まり始めました。


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そして、決定的に大きかったのは、政府の政策です。

明治時代に、「新たに医業を行うには、西洋医学を修め洋方六科(西洋医学)試験の合格者のみを医師として開業する事を許可する」と定めました。

西洋医学を医業と認め、東洋医学は医業と認めない日本医療の大きな転換でした。


東洋医学が当たり前で、西洋医学が、極、限られた世界であった時代から、

西洋医学が当たり前で、東洋医学が逆の立場となった大きな節目。


これには、この政策に至った日本の実状もあります。

今でこそ、医師は、難関を突破し、国家資格の取得が当たり前で、地位も役割も確立されていますが、江戸時代は、医師の無法地帯であり、様々な医療がまかり通っていました。この水準では、国民の不利益となると、明治維新を機に、西欧を追いかけていた政府であり、西洋医学が医療の中心軸となっていきました。


この政策に異議を唱えた東洋医学の医師達は、「漢方復興運動」を長く続けましたが、法律が改正される事は、今日までありません。


西洋医学は、前回よりお伝えしていますが、明確な論理と客観性を持ち、再現可能な体系化された科学であり、物質文明を引っ張ってきた強いパワーがあります。

医療であれば、辛い症状も、ピンポイントで消してくれる即効性があり、東洋医学を選択していた人々も、すぐ治してくれる西洋医学を選択するようになりました。

全体をみる東洋医学は、改善まで、時間もかかり、天地自然のリズムと調和して生きる選択は、どんどん失われていきました。

自然への畏怖が、科学で、台風なども解明、予想可能になり、人間中心に、世界を構築する文明となった世界です。



また、日本は、戦争で負けた事で、アメリカ主導の生き方を受けざるをえず、それを目標に、今の社会が形成されました。

西洋の成功哲学が流行り、お金、地位、名誉という高さの成功を追い求め、そのためのハウツー本が、生きるお手本でした。

そのおかげで、高度経済成長もあり、日本が発展した事もあり、否定している訳ではありません。


ただ、今、その歪みが到来しています。

高さの追求をしても、満たされない焦りや不安、知り合いは沢山いるのに、倒産となれば、簡単に、人も離れていく人間関係の中の孤独。

仕事が休めないと、薬づけで、ライフスタイルを省みる機会を逃し、重篤に至る人々。

資本主義が、先導した経済により、世界で、貧富の差は、益々、広がるばかり。

自分の、会社の、国のメリット、デメリットを軸に社会を作る関係性の歪み、健康の歪み、経済の歪み。


この歪みや矛盾の解決は、可能なのでしょうか?


一体、何が、本当の問題で、私たちは、何を軸に生きていく事が、これから大事な時代なのでしょうか?


続く〜